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April 12, 2006

優れたサービスは「関西のお客さん」が育てる(PiTaPa)

ITmedia ビジネスモバイル:優れたサービスは「関西のお客さん」が育てる――スルッとKANSAIに聞く(後編) (1/5)
 FeliCaを使った公共交通向けIC乗車券システムとしては珍しい「ポストペイ(後払い)」方式を採用した「PiTaPa」。前編に引き続き、スルッとKANSAI PiTaPaビジネスサークルコアリーダー執行役員の松田圭史氏にPiTaPaの各種サービスや電子マネーの取り組み、将来展望などを聞いていく。
 PiTaPaはJR東日本のSuica電子マネー(特集参照)のように、公共交通利用と連携した電子マネー機能を持っている。こちらも、もちろんポストペイ(後払い)方式が特徴だ。Suica電子マネーのようにチャージの必要はなく、使い勝手はFeliCa型のクレジット決済サービスに近い。
 駅構内のコンビニ、書店、飲食店、観光施設などを中心として、3000店舗以上がPiTaPa決済に対応している。自動販売機の対応も進んでおり、駅と駅近隣にはPiTaPa決済対応の「シーモ」(2月16日の記事参照)が設置されている。また、ユニークなところでは駅設置の多機能型コインロッカー「クロスキューブ」もPiTaPa決済対応である。
 このようなポストペイの便利さは、ユーザーの利用満足度や継続利用率の高さにも繋がっている。それを如実に物語るのが、関西地区におけるサークルK/サンクスでのPiTaPa決済の対応だ。
 「実は関西地区のサークルK/サンクスでは、以前からPiTaPa決済を試験的に導入していました。しかし、(サークルK/サンクスが)全国規模でEdy採用になり、PiTaPa決済の対応は打ち切られるという話になった。すると、(PiTaPa導入)店舗のオーナー様が『それは困る』と猛反発されたのですね。PiTaPa決済を利用するお客様が多くて、今さらやめられないという話になって、今でも一部のサークルK/サンクスではPiTaPa決済が残っています」(松田氏)
 PiTaPaの特徴は「ポストペイ」であるが、一方でPiTaPaカードにはプリペイド(前払い)チャージの領域も設けられている。これは他の交通機関との連携をスムーズに行うためだ。現在はJR西日本のICOCAはもちろん、JR東日本のSuicaにも対応している。なお、電子マネー部分は未対応だ。
 「特にJR西日本へのシームレスな乗り継ぎはお客様のニーズが高く、当初から(乗り継ぎ対応を)考えていました。本来はポストペイでそのまま乗り継ぎできればいいのですが、JR西日本のICOCAはポストペイに対応していない。ですから、PiTaPaカード側にプリペイド領域を設けて、ここに利用額をチャージすることで相互利用を実現しました」(松田氏)
 しかし、JR西日本/東日本での改札機ではオートチャージ機能は利用できないため、JR管轄内でプリペイド分を使い切ったら、券売機やチャージ機で入金しなければならない。オートチャージ機能はあくまで、通勤で私鉄からJRに乗り継ぐような日常利用を想定しているという。
 また、スルッとKANSAI対応のエリアが広がったのも、お客さんのパワーです。磁気式プリペイドカード導入当初は、相互直通運転をしている乗り入れ先の鉄道会社で(プリペイドカードが)使えないことがあったのですね。それなのにお客さんは、使えないのがわかってて、カードを通すんですよ。もちろん対応してないから、ゲートが閉まって駅員が切符を買ってくださいとお願いする。すると、『なんでやねん?』と、こうなる。『なんで(プリペイドカードを)通せるようにせんのや?(使えないのは)分かっとるわい!』と毎日のように怒られるわけです」(松田氏)

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