« 法人所得の公示廃止 | メイン | Impress:キャリア系情報セキュリティ対策協議会が発足 »

April 08, 2006

裏切り者の代名詞だったユダに新解釈

歴史を覆す世紀の大発見 「ユダの福音書」が明かすイエス・キリストの最後の言葉 - nikkeibp.jp -
 エジプトの砂漠で発見された約1700年前のパピルス文書の冊子は,古美術取引の迷宮に姿を消した。ある古美術商の手に渡った後,米国ニューヨーク州ヒックスビルにある銀行の貸金庫に16年間も放置されたのだ。スイスのコプト語研究者ロドルフ・カッセル博士が写本を目にしたのは,発見からおよそ30年後。パピルス文書はすでにぼろぼろの状態で,そこに書かれたメッセージは永遠に失われる寸前だった。
 パピルスの断片をつなぎ合わせると,『ユダの福音書』の冒頭の一節は次のように始まっていた。「過越(すぎこし)の祭りが始まる3日前,イスカリオテのユダとの1週間の対話でイエスが語った秘密の啓示」
 「イスカリオテのユダ」とは,イエス・キリストに選ばれた弟子の一人でありながら,銀貨30枚と引き換えにイエスを裏切り,接吻を合図に敵の手に引き渡した使徒。その名は今も裏切りの代名詞となっている。しかし,新たに発見された『ユダの福音書』に描かれたユダ像は,まるで違ったものだった。ユダこそイエスの一番弟子であり,他の弟子たちと違ってキリストの真の教えを正しく理解していた,そして,ユダがイエスをローマの官憲に引き渡したのは,イエス自身の言いつけに従ってのことだった――と,そこには書かれている。
 『ユダの福音書』の記述には,グノーシス派と呼ばれる初期キリスト教の分派グループの思想が反映されている。グノーシス派は,物質世界は至高の神ではなく下等な創造神のつくった不完全な世界とみなし,善の究極の源泉である神性は物質世界の外側にあると考えていた。『ユダの福音書』の中で最も重要なくだりは,イエスがユダにこう語る部分だ。「お前は,真の私を包むこの肉体を犠牲とするだろう」
 つまり,ユダがイエスを死に追いやったのは,イエス自身の望みに従った行為であり,イエスをその肉体から解き放つことによって,真のキリスト,つまり内なる神が解放されるというのだ。ユダがこの役割を任されたのは,弟子たちの中で特別な地位にあった証拠であると,この福音書には書かれている。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://bugfix.s3.xrea.com/x/mt/mt-tb.cgi/182

コメントする