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March 25, 2006

Richard Garriot氏が語る「Tabula Rasa」

Yahoo!ニュース - impress Watch - Richard Garriot氏が語る「Tabula Rasa」のデザイン
 「ウルティマ」シリーズ、そして「ウルティマオンライン」を開発し、現在はNCsoftで新しいオンラインゲーム「Tabula Rasa(タビュラ・ラサ)」を作っているRichard Garriot氏。GDC2006では、「Designing Tabula Rasa::Lessons from the World of MMOs」いうタイトルでの講演を行なった。
 「Tabula Rasa」は2001年からGarriot氏が開発しているタイトルで、本誌でも何度か取り上げている。制作発表以来、具体的な姿を見せなかったが、2004年のE3にプレイアブルの形で出展され、さらに2005年には全く姿を変えた形で再び紹介された、氏は講演で「2004年に大きなデザインと戦略の変更を行なった、今回は長年ゲームを作り続けている私でも直面する“乗り越えられないような大きな壁”をどう越えて来たかを話をしたい」と語った。
 Garriot氏は韓国のメーカーであるNCsoftに移籍し「Tabula Rasa」の開発に着手する。氏は様々なゲームに関わったトップクリエーター達によって「Tabula Rasa」を制作しようと「ドリームチーム」を編成する。
 しかし、ここに実は「陥りやすい罠」の最初の1つがあった。厨房に複数の料理長がいた場合、優れた料理はできるかというと、必ずしもそうではないのである。各部門に優れたクリエーターを配置し、分担も行なったのだが責任の取り方の上で齟齬が生じてしまった。コミュニケーションの問題や、それぞれが持つセンスの問題で結局うまくいかなくなってしまった。
 アジア(韓国)との感覚の違いも浮き彫りとなった。「会議の時に公の場で反対意見を言うことはアジアではタブーだったのだが、私はそれを知らなかった」とGarriot氏は語る。また、欧米のヒーローは筋肉質で力強いが、アジアではそういった人は頭が悪いように見られる傾向がある。欧米人から見れば、ひ弱そうな理知的なヒーローを好む傾向があるという。  氏はここで突然「ところでここからは“Symbolic Communication”について語っていきたいと思う」と話題を転じた。「ウルティマ」では“Runic”という文字を使ったのだが、これはローマ字の先祖を変換しただけで他の言語圏の人達がこれを解読するには一端英語にしなくてはいけなかった。
 「『Tabula Rasa』の文字は中国の古代文字や手話などを参考にしてシンボルによる表意文字になっている。例えば距離を示す基本文字に点を置くことで、遠くや近くを表現する。現在の言語体系によるものではなく、アメリカ人も韓国人も平等に法則を学ぶことで自国の言語に変換可能なのだ」
 そう言ってGarriot氏は物語の書かれた文章を見せた。「ここの棒が離れているから“昔”で、人が二人立っているから“私達”……」と語る氏の表情はとてもうれしそうで、ゲーム開発の苦労とこれからのアドバイスを語っていた時とは全く違う印象を受ける。自分の世界を持ちそれをアピールする、独自のセンスで世界を構築していくこれこそ“Lord British” だと、思わせる雰囲気があった。

ギャリ男君、久々に公の場に出てきたと思ったら、苦労していたようです。

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