May 16, 2006

次世代型新幹線登場へ 速度アップで「空」と競争

次世代型新幹線登場へ 速度アップで「空」と競争 : なるほど経済 : 特集 : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 現役の新幹線よりも走行性能や省エネ性を向上させた「次世代型新幹線」に注目が集まっている。JR東海とJR西日本は2007年度中に、新型「N700系」の営業運転を、東京―博多間でスタートさせる予定だ。JR東日本も世界最速の時速360キロ・メートルで走行する「FASTECH(ファステック)360」の開発を急ピッチで進めている。新幹線のスピードアップで、「新幹線VS飛行機」の攻防に一段と拍車がかかりそうだ。
 JR東海と西日本が運行している東海道新幹線と山陽新幹線には現在、主に「300系」「500系」「700系」の3種類の車両が使われている。新型の「N700系」は、「300系」などと順次交代する予定だ。
 「N700系」は、直線の最高速度は700系と同じ時速300キロ・メートルだが、カーブで自動的に車体を傾けることで、700系よりも高速でカーブを曲がれる。特に、カーブが多い東海道区間で威力を発揮し、東京―新大阪間を現在より5分短い2時間25分で走行できる性能がある。  一方、JR東日本のファステックは、時速360キロ・メートルでの営業運転に向け、試験走行を繰り返している。05年8月には時速389キロ・メートルを記録した。
 JR東日本が速度アップを重視する背景には、首都圏から新幹線でかかる時間が約3時間を超えると、飛行機に乗客を奪われる傾向が強いという事情がある。
 新幹線と飛行機の04年度の旅客占有率(シェア)を比べると、所要時間最速2時間56分の八戸(青森県)は新幹線の67%に対し飛行機は33%にとどまる。ところが、約4時間かかる秋田は、JRの55%に対し飛行機45%と伯仲している。