April 03, 2006

個人情報保護法1年、識者から「法改正必要」の指摘も

個人情報保護法1年、識者から「法改正必要」の指摘も : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 法制定にかかわった国会議員や政府の検討部会などの委員を務めた識者らに、読売新聞がアンケート調査したところ、回答者の多くが、相次ぐ過剰反応や公益情報の非開示を懸念し、運用見直しだけでなく法改正の必要性を感じていた。
 回答者のうち、「保護法の運用は適正」としたのはゼロ。混乱や不適切な運用が、「一部」または「かなりある」が30人、「そもそも法に欠陥がある」が5人だった。
 必要な対策(複数回答)については、「法の趣旨や必要な情報提供への理解を求める啓発」「明確な解釈指針」が各16人、「実態調査」「省庁の指針見直し」が各14人だった。
 33人は何らかの法改正が必要と指摘。「行政機関個人情報保護法に、情報の有効利用、公益情報提供についての規定を盛り込む」「公益情報を共有可能にするため、個人情報の保護の範囲などを見直す」は、いずれもその半数を超えた。
 過剰反応や不適切な運用の原因では、「個人情報を悪用した犯罪など治安悪化を背景に、住所や氏名も明かしたくないという意識が広がっている」が24人と最多。国や自治体のPRや研修不足で、「法の趣旨が理解されていない」が22人、「法や条例の適用範囲や解釈に混乱がある」が18人に上った。

個人情報保護法:国会付帯決議にもとづく見直し調査始まる

NIKKEI NET:社会 ニュース:個人情報保護法1年、過剰反応で萎縮現象も
 企業や団体の個人情報利用に法規制を課した個人情報保護法の全面施行から1日で1年。個人情報の取り扱いの考え方を多くの企業が公表するようになる半面、誤解や過剰反応から、匿名での対応が急増するといった「萎縮現象」が際立った。混乱の解消策を探る議論が政府の審議会で始まっているが、法改正の有無も含め、方向性はまだ見えていない。
 審議しているのは国民生活審議会の個人情報保護部会(部会長・野村豊弘学習院大大学院教授)。同法成立時に「政府は3年後をめどに、施行状況について検討、必要措置を講じる」とした国会の付帯決議に基づき、業界団体などからヒアリング。今年7月に論点を整理し、来年夏に報告をまとめる。